浜辺の歌

「浜辺の歌」はゆったりした浜の様子を歌った曲です。昔のおだやかな海の様子を思い出してつくった情緒豊かな曲です。

この曲の作詞は、林古渓(こけい)です。東京音楽学校(東京芸大)の講師で、文学者でもあります。そして作曲は成田為三(ためぞう)です。秋田の出身で、ほかにも「カナリヤ」などの童謡の作曲があります。

この曲はヘ長調の曲です。主音はへ音となる長音階の曲です。したがってこのヘ音のところが階名のドにあたります。五線譜にはフラット(♭)がひとつつきます。♭の位置は、五線譜の第3線に丸い部分がかかります。

長調の曲は、よく曲の終わりがドの音で終わることが多いです。この曲もそうです。短調の曲の場合にはラで終わることが多いです。

「浜辺の歌」は、8分の6拍子です。したがって1小節あたり8分音符(♪)が6拍あることになります。「強、弱、弱、(強)、弱、弱」(2つのめの(強)は少しだけ弱く)としていきます。

この6拍子分は前の3拍と後ろの3拍にくくって、2拍子とみることもできます。このようにくくれる場合を複合拍子といい、1小節が必ず2等分できます。

「浜辺の歌」は、♪=104~122の速さで演奏されます。曲の最初には「優美に」と指示書きがあります。それからこの曲は1拍めが弱拍からはじまる弱起の曲です。最初の部分は四分休符、八分休符、四分休符、そして6拍めではじまります。

この曲に使われているスラーとタイについて説明します。スラーは同じ高さの音符をつないで演奏するときに使います。それに対してスラーは違う音の高さを持つ音符をなめらかに演奏するときに使います。

この曲を歌うときには、音が切れないように、一つ一つの音をなめらかに歌うレガートで演奏します。

この曲は二部形式の曲です。したがってA,B2つの大楽節からなります。大楽節1つは2つの小楽節(aとa’あるいはbとb’)からなります。したがってこの曲の形式はA(aa’)B(bb’)と書き表すことができます。

詞のなかにある古い日本語について解説します。「ゆうべ」とは夕暮れ時、つまり夕方をさします。「あした」とは夜明け時、つまり朝の明ける頃をさします。「もとおれば」とはめぐれば、さまよい歩けばという意味です。「しのばるる」とは思い起こされる、思い出すという意味です。

投稿者: jitsugi

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