レタリング

レタリングとはポスターなどの表現の際に文字をデザインすることをいいます。そこで用いる字体には、明朝体とゴシック体がよく用いられています。

明朝体

明朝体は、縦線は太く書きますが、横線は細く書きます。そして横線のと目の部分にはうろこと呼ばれる三角形の山型がつきます。このかたちはちょうど習字を書くときのとめの形に似ています。

はねにも特徴があります。跳ねる部分や払いの部分には注意が必要です。

ゴシック体

ゴシック体は、縦線も横線もほぼ同じ太さで書きます。こちらは新聞の見出しなど目立たせたい場合によく用います。明朝体と違い、横線の右側にはうろこはつきません。

ただし、いくつか注意するところがあります。たとえば「口」、「日」などの縦線の下部分は少し出して書きます。それからはらいは独特の形になります。

レタリングをするときには、まず文字の配置を決め、文字を入れる四角の枠を配置します。漢字に比べてかなは少しだけ小さくします。

それから手書きで骨組みを描き、それに肉付けしていきます。この段階で明朝体とゴシック体で違ってきます。画数が多い字は細めに肉を付けます。

それから絵の具などの画材で、枠から内側に塗っていきます。

想像の世界を描く

皆さんは毎日起きていると、何か物事をいつもあれこれと考えたり、空想したりしていますよね。その世界を絵にしてみるとおもしろいです。人の考えはみな違います。それぞれの頭の中の世界を人に紹介できたら面白いです。このいう絵を空想画といいます。

本や映画の世界ではファンタジーと呼ばれるジャンルがありますね。たとえば皆さんをとりこにしたハリーポッターなどはごく最近作られたばかりの本です。

こういった物語は読んでいると頭の中でいくらでも空想が拡がります。おそらく同じものを読んでもみなそれぞれ捉え方が違っているでしょう。したがってハリーポッターのお話が映画になったとき、あれっ、ちょっと違うとか、想像していたとおりとかいろいろな感想をもてたのではないでしょうか。

絵も同じです。あるテーマが与えられたとします。例えば音楽でもいいでしょう。ある曲についてクラスの皆がそれぞれ音楽を聴いて感じたこと、想像したことを絵にしてみます。

このように想像の世界を絵にしてみると、人それぞれ個性的でなかなかユニークなものです。私もふだん描く絵とは違うタッチで描きます。

現実の世界の枠を超えて心の奥を覗いてみた感じがするでしょう。画家の一例をあげるとパウル・クレーがいます。彼の絵は色や形の中に音楽を感じ取ることができます。

また、ある場合には夢や空想を元にして描くのもいいでしょう。サルヴァドール・ダリはそういった絵の先駆者です。彼の描いたバターのように溶けた時計は何を意味しているのでしょう。

さらに具体的なものを組み合わせたり、ありえない場所や大きさの比率で描いたりすることも想像を掻き立てられます。だまし絵やその意外性を使うことで不思議な印象を与えることができます。マルク・シャガールの絵は美しい色を使っています。彼の想像の世界を好む人は多いです。

以前紹介した、様々な美術の技法のなかには偶然性を利用した描き方がありましたね。デカルコマニーやコラージュ、吹き流しなどモダンテクニックを使うことで予想しない世界を描き出すこともできます。

鉛筆での素描(デッサン)

鉛筆でもののかたちや質感を表現できるように素描の説明をします。

身の回りには様々な色や形、材質のものがあります。それぞれを素描して書き分けることができます。

それには鉛筆による様々な描法を知っておく必要があります。

(1)明暗の調子

明暗の調子はまずは画面の中で最も明るいところを探します。そこを一番あかるいところとしたら、次は最も暗いところを探し出します。この2ヶ所についてはみつけることができます。

そして今度はその中間の明るさのところ、そして次に明るいところ、次に暗いところと5段階ぐらいで表してみましょう。

5段階でも相当に明暗の調子を段階的に現していることになります。じつはこの段階をいくつ細かく描き分けることができるか、練習によって、それを自然に明暗の違いとして表現できるようになってくるといいです。

(2)形を捉える

透視図法を使って遠近法を正確に描くと自然に安定感を持ってみることができます。見る視点の高さによって三次元の物体の形は2次元の紙の上では違って見えてきます。

それでもそれぞれの物体はある形状をもっています。円筒形のものや円錐のようなものなど簡単な形に置き換えて画面に置き、詳細については後から修正するようにします。まずはこうして大まかな形をダイナミックに捉えることが大事です。

(3)立体として捉える

先ほど明暗を捉えることができるようになれば、(1)と(2)のことを組み合わせて様々な立体を表現することができるようになります。単一の光源であれば、その光が強く当たっている面の反対側の場所はもっとも暗くなるはずです。

球であっても、最初にもっとも明るいところと暗いところをみつけてそれから中間の調子をとるように描いていくと立体感を表現できます。慣れないうちは、球面では難しいので、平面の組み合わせと考えて分割して明暗の調子を入れてみるといいです。

(4)質感を捉える

ものは様々な材質のものでできています。またその表面の様子や、透明かどうか、反射はどうかなど、その質はさまざまです。

注意深く観察して、その質感のもつ特徴をつかみましょう。たとえば金属のきらりとした感じは、明るい点を入れると表現できるとか、ガラスの透明感は映りこむ周囲の様子を描きこむと表現できるとかです。

最初のうちはくしゃくしゃにした紙ですとか、布、ガラス、野菜や果物などで練習するといいです。それぞれのものが持つ質感をどうやったら表現できるか、試行錯誤して自分の技術にしていきましょう。