「魔王」について

「魔王」の曲について説明します。

「魔王」は、ドイツ語でいう歌曲(リート)です。歌曲とは人の声により歌われる曲のことです。シューベルトは、このリートの名手といわれていました。600曲以上のリートを作ったとされています。

この曲は歌手がひとりで4人を歌い分けて演じます。このような一人で歌う曲は独唱曲とよばれています。

「魔王」では、歌手はひとりで4人の役を歌い分けることになります。「語り手」、「父」、「子」、それから「魔王」の4人です。

それぞれ、登場人物の心の動きを歌に込めながら、声色や声の調子を変えることで演じ分けます。「子」の魔王を怖がる様子、「魔王」の言葉巧みな誘いの様子などがあります。

逆に、そのうちの一人の「語り手」については、たんたんと語るように歌います。この物語の説明役として、残りの3者の状況を説明しています。ピアノの伴奏は物語を引き立てる役目があります。風の音や馬を急がせている様子などを表現しています。

最初のピアノの演奏は、馬を急がせている様子です。その後のピアノは嵐の強い風の様子です。このような点を確認しながら曲を聴いてみるといいです。

この部分は、音楽を聞く人を物語に引き寄せ、物語の緊張を巧みに表現するものです。

交響曲第5番ハ短調

ベートーヴェンの曲を聴いてみましょう。

ベートヴェンの紹介
ベートーヴェンはドイツで1770年に生まれました。18世紀から19世紀はじめの代表的な作曲家の一人です。ドイツのいずれもBで始まる代表的な作曲家がいます。ベートーヴェン、バッハ、ブラームスです。

ベートーヴェンは古典派の作曲家として知られています。シューベルトを「歌曲の王」、バッハを「音楽の父」と呼ぶように、ベートーヴェンは「楽聖」と呼ばれています。

この交響曲第5番「運命」、第3番「田園」、ピアノ協奏曲「皇帝」などは彼の代表作です。他にも数多くの名曲を作曲しています。

交響曲第5番ハ短調のソナタ形式

この曲は交響曲(シンフォニー)です。複数の楽章から構成される管弦楽(オーケストラ)曲のことです。この曲は第1楽章~第4楽章からなる4つの楽章から構成されています。

交響曲は、ソナタ形式からなる曲が多いです。ソナタ形式とは一般的に第1主題、第2主題の2つの主題を基本にします。それを

 提示部→展開部→再現部→終結部(コーダ)

の形式を順番に示していく楽曲のことをいいます。この曲の場合には第1楽章と第4楽章がソナタ形式です。提示部の前に序奏が付く場合もあります。

第1楽章のソナタ形式では、第1主題は弦楽器とクラリネットが演奏(有名な冒頭の部分です)し、第2主題はヴァイオリンが演奏します。第一主題に冒頭(動機)についてベートヴェン自身が「運命はこのようにとびらをたたく」といっ多層です。それでこの曲が「運命」と呼ばれるようになったとされています。

第3楽章は一転してA→B→A’の複合三部形式です。Allegroアレグロ(速く)で演奏します。Aの主題はチェロとコントラバスで演奏します。第3楽章と第4楽章は続けて演奏されますから注意が必要です。

管弦楽(オーケストラ)とは
弦楽器、金管楽器、木管楽器、打楽器で形作られる合奏の形態をいいます。管弦楽には室内管弦楽と交響管弦楽があります。交響管弦楽の方が大きな編成になることが多いです。

「大地讃頌」練習問題

「大地讃頌」の練習問題です。

問1.次の問いに答えよう。

(1)「大地讃頌」の作詞はだれですか。

(2)「大地讃頌」の作曲はだれですか。

(3)この曲の調は何調ですか。

(4)この曲は、「土の歌」というカンタータ(大規模な声楽曲)の終曲にあたります。全部でこのカンタータはいくつの楽章でできていますか。

(5)この曲の拍子は何分の何拍子ですか。

(6)この曲の形式は何部合唱ですか。

答え (1)大木惇夫(あつお)(2)佐藤眞(しん) (3)ロ長調 (4)7 (5)4分の4拍子 (6)(混声)四部合唱