木工品の塗装

木工品の組み立てが終わったら塗装をする場合があります。塗装の目的は表面の汚れや湿気を防ぐ目的と外観を美しくする目的があります。

  1. 塗装の下地作り
    塗装をする前に木工品は、紙やすりで磨きます。紙やすりは切った角材などに巻いて使います。紙やすりの目の粗いものから始めて、だんだん目の細かいものを使うときれいに滑らかな状態になります。

    木地に穴やすじなどが目立つ場合があります。その場合には目止めをするためにとの粉を用いるとさらに滑らかな表面にすることができます。との粉はゆるく水に溶いて木地にすりこむようにします。余分なとの粉は布などでぬぐって落とします。

  2. 下塗り
    また、木地の下塗りにシーラー(下塗り剤)を前もって塗っておき、その後に塗る塗料が木地に吸い込むのを防ぐと同時に、木地と塗料の間にシーラーが入ることで塗料のつきをよくし美しく仕上がります。シーラーで下塗りしたほうが余分な仕上げの塗料を節約できます。
  3. 塗装

この下塗りが乾いたら、300番程度の紙やすりで軽く磨いて、塗料のつきをよくします。塗料ははけにつけて、中ほどから塗ります。端から塗ってしまうと刷毛がしごかれて塗料がたれることがあるからです。

刷毛を動かす方向にはけを少し傾けて塗ると上手く塗ることができます。塗りむらがないか少し光の反射を見ながら塗るときれいに塗りむらなく塗れます。

塗料の代わりにニスを塗る場合には下塗りと、上塗りに分けて2度塗ります。その場合にも下塗りのあと、300番程度の紙やすりで軽く磨いてから上塗りをします。

ものづくりの進め方

技術家庭科がはじまりました。ものづくりから始める中学校が多いのと思います。

それではものをつくるときにはどのようにすすめていくとよいでしょうか。まず、身の回りにあるものは使う目的が必ずあります。そこで、設計をしてねらい通りのことに使えるか考えます。そしてひと通り設計して材料や用具がそろい、製作場所が整えば製作に移ります。

話を少しもどし設計の段階では、何を作るか決めます。その際の考えの道筋のことを構想といいます。そして図に表してみます。そして設計にうつります。その際にはそのものの機能や構造をしっかり調べます。そしてそれにふさわしい材料を選びます。さらに加工方法を検討してそれに必要な用具などをそろえます。

そして実際に製作に移ります。製作品の材料取り、部品を加工したり、組み立てたりします。さらに仕上げが必要な場合もあります。

ものができたら実際に使用してみます。保守・点検を行い使用上問題がないか検討します。場合によってはここで補修や改良が必要になることがあります。そして場合によっては壊れることがありますから修理を行います。

修理ができないことが明らかになったら、廃棄するか、リサイクルします。そうやって別のものづくりの際に使用することがあります。これは循環型社会をめざす上で重要な考え方です。

たとえば自動車などもほとんどの部品などが、このようにリサイクルすることで再資源、省資源を、省エネルギー、廃棄物の削減などが行えるようになって来ました。

それから、人に優しいものづくりをするひつようがあります。ユニバーサルデザインになるようにし、安全と健康にプラスになるもの作りとなるようにします。そして快適な環境づくりに貢献できるものがふさわしいです。

金属の性質

金属は技術科で物作りをするときに使われます。その特性を生かして適したところで使えるものを作りましょう。その金属について性質をまとめます。

金属には主に5つの性質があります。
(1)塑性(そせい)
大きな力を加えて曲げてしまうと元の形には戻らない性質のことです。曲がったままになってしまいます。

(2)展性
たたいて薄く延びる性質。金などは金箔といって非常に薄くすることができ、伝統工芸品などを作るのにも使われています。

(3)延性
引っ張ってやると細く伸ばすことのできる性質のことです。金などは細く伸ばして集積回路の配線などに使われています。

(4)弾性
ある程度加減して曲げる力を加えると、元に戻る性質があります。この力以上で曲げてしまうと塑性によって曲がったままになってしまいます。

(5)加工硬化
金属の変形により、曲がったところの組織が硬くなる性質があります。

金属の種類によって以上の性質には違いがあります。金属に他の金属を加えることで新たな性質を生み出すことができます。こうしたものを合金といいます。