「魔王」についての復習問題

「魔王」についての復習です。どのくらいできますか。

問1.次の文の( )に適語を入れよう。
(1)「魔王」は、(①)(国名)の作曲家の(②)(人名)が作った歌曲(リート)です。
(2)この曲は、(③)の伴奏がつく(④)の曲です。
(3)「魔王」は一人の歌い手が(⑤)、父、子、(⑥)と歌い分けて(⑦)の形式で進んでいく曲です。
(4)この曲は(⑧)拍子の曲で、(⑨)調の曲です。
(5)この曲の原詩はドイツの(⑩)(人物名)の作ったものです。
(6)②の作曲家の活躍した時代の音楽は普通(⑪)と呼ばれます。
(7)この曲は男性の音域が中ほどの(⑫)歌手によって歌われます。声色や歌い方をたくみに変えて(3)の4人を歌い分けます。
(8)この曲の前奏でフォルテで繰り返される音符である(⑬)は馬が駆ける様子を表しています。4分の4拍子のこの曲の場合、この⑬のひとつで(⑭)音符の長さになります。

答え (1)①オーストリア ②シューベルト (2)③ピアノ、④独唱  (3)⑤語り手(または魔王) ⑥魔王(または語り手)、⑦対話 (4)⑧4分の4 ⑨ト短 (5)⑩ゲーテ  (6)⑪ロマン派 (7)⑫バリトン (8)⑬三連符 ⑭四分

問2.「魔王」について次の問いに答えよう。
(1)「魔王」のようにドイツ語による歌曲を何といいますか。
(2)つぎの「魔王」の曲に登場する人物の役割A:(あ)~(え)を人物の歌い方の特徴B:(a)~(d)と結びつけよう。
A:(あ)呼びかけを繰り返して子どもを誘い込もうとする。
 (い)魔王がいるとうったえかける。
 (う)馬を駆けさせている。
 (え)物語の情景を説明する。

B:(a)はじめはやさしく、次第に激しく歌う。
 (b)声がだんだん高くなるように歌う。
 (c)低めの声でなだめるように、安心させようと歌う。
 (d)感情を入れないで歌う。
(3)「魔王」を作曲したシューベルトは別名何と呼ばれていますか。

答え (1)リート (2)(あ)(a)、(い)(b)、(う)(c)、(え)(d) (3)歌曲の王

「魔王」について

「魔王」の曲について説明します。

「魔王」は、ドイツ語でいう歌曲(リート)です。歌曲とは人の声により歌われる曲のことです。シューベルトは、このリートの名手といわれていました。600曲以上のリートを作ったとされています。

この曲は歌手がひとりで4人を歌い分けて演じます。このような一人で歌う曲は独唱曲とよばれています。

「魔王」では、歌手はひとりで4人の役を歌い分けることになります。「語り手」、「父」、「子」、それから「魔王」の4人です。

それぞれ、登場人物の心の動きを歌に込めながら、声色や声の調子を変えることで演じ分けます。「子」の魔王を怖がる様子、「魔王」の言葉巧みな誘いの様子などがあります。

逆に、そのうちの一人の「語り手」については、たんたんと語るように歌います。この物語の説明役として、残りの3者の状況を説明しています。ピアノの伴奏は物語を引き立てる役目があります。風の音や馬を急がせている様子などを表現しています。

最初のピアノの演奏は、馬を急がせている様子です。その後のピアノは嵐の強い風の様子です。このような点を確認しながら曲を聴いてみるといいです。

この部分は、音楽を聞く人を物語に引き寄せ、物語の緊張を巧みに表現するものです。

魔王1

「魔王」について紹介します。

「魔王」は、ドイツ語による歌曲、つまりリートです。作曲したシューベルトは、このリートの作曲の名手でした。彼は、600曲を越えるリートを作曲したといわれています。

この曲はバリトンの音域の歌手ひとりで歌います。こういった一人で歌う曲を独唱曲といいます。

「魔王」の場合には、ひとりで4役をこなすことになります。「語り手」、「父」、「子」、そして「魔王」です。

それぞれの登場人物の心情を踏まえて声色や調子を変えて歌います。「子」のおびえる様子、「魔王」のたくみに誘いかける感じなどは聞きごたえがあります。

語り手は、心情をあまりこめずに、たんたんと物語の状況を説明する歌い方です。ピアノは歌手に伴奏します。

印象的なのは、冒頭の部分の三連符の連続です。これはピアノで馬が急いで駆け抜ける様子を描いたものです。それに続く小節は嵐の風の様子も表します。

この導入部分の伴奏は、聞き手を引き込み、これから展開する物語の緊張感を高める効果があります。