「花」について

「花」について説明します。

「花」は武島羽衣(はごろも)の作詞です。彼は東京音楽学校の(今の東京芸大)の教授もつとめました。作曲は、滝廉太郎(れんたろう)です。ほかにも「箱根八里」、「荒城の月」などの作曲で知られる作曲家です。

「花」はト長調の曲です。したがって、五線譜には調号の♯が第5線の位置に1つつきます。つまりこの位置(へ音)が半音上がることになります。主音はト音になります。

長調の曲は、よく曲の終わりがドの音で終わることが多いです。この曲もそうです。ちなみに短調の曲の場合にはラで終わることが多いです。

「花」は、4分の2拍子です。したがって1小節あたり四分音符(♩)が2拍あることになります。「強、弱、強、弱」という拍になります。

「花」は、♩=60~66の速さで演奏されます。これは四分音符で1分間あたり60~66回の拍を打つ速さです。
この曲に使われている音符について説明します。16分音符は、八分音符の半分の長さになります。32分音符は16分音符の2つ分の長さになります。

この曲を歌うときには、言葉と旋律の間のリズムをよくつかむ必要があります。そして音の強弱から、この詞の意味が効果的に伝わるような表現とします。

「花」は、二部合唱の曲です。合唱曲のひとつです。合唱曲とはコーラスのことで、二つ以上のパート(二人以上からなる)に分かれて歌います。これに対して独唱とはひとりで歌う歌です。

この曲は二部形式の曲です。したがってA,B2つの大楽節からなります。大楽節1つは2つの小楽節(aとa’あるいはbとa’)からなります。したがってこの曲の形式はA(aa’)B(ba’)と書き表すことができます。

詞のなかにある古い日本語について解説します。「うららの」とやわらかなひざしを受けているという意味。「見ずや」とは見てごらんという意味です。

それから「何にたとうべき」とは何にたとえたらよいのだろうかという意味です。「げに」とはほんとうにという意味です。また、「錦おりなす」とは美しい織物のようにという意味です。