構図のとり方

絵を描くときの構図について説明します。

基本的にはどんな絵を描いても自由なのですが、その一方で安定感やバランスのある構図というものがあります。

たとえば、空と畑や林が広がっているいる風景があったとします。このときあなたは空と地面をどんな比率で入れるとバランスが取れると思いますか。

これも地面にあるもの次第ではありますが、基本的には地平線の位置を紙の半分よりも上にもっていったら地面が主役になります。

その逆に地平線を半分よりも下にもってくると、はるか遠くまで風景を見渡せるように、俯瞰(ふかん)気味に描くことになります。

どちらがいいというわけではありませんが、俯瞰気味に描くときに注意したいことは、遠景だけ描こうとすると、何か物足らない単調な絵になりがちです。

そんなときは、近景の木を入れてみるとか、中景の家並みを入れてみるとか、縦方向にも変化があるように、そして距離感が表せるように描くと絵に面白みが出てきます。

したがって構図を決めるときは慣れないうちは、厚紙などで見取り枠(下図)を作ってその中に描きたい実際の風景を入れてみるといいです。

 

構成美の要素の練習問題3

構成美の要素に関する問題をつくりました。テストに利用してください。

問1.次の構成美の要素を使った作品のそれぞれについて、おもに使っている要素の名前を書こう。








答え ①対称(シンメトリー) ②律動(リズム) ③繰り返し(リピテーション) ④ 階調(グラデーション)⑤対比・対立(コントラスト) ⑥比率・割合(プロポーション) ⑦強調(アクセント) ⑧つり合い(バランス)

解説

①対称(シンメトリー)

小学校や中学校の数学の図形のところで出てきた線対称や点対称のことです。美術では左右を対称にしたり、180度回転させたりすることで生じる効果を利用します。

②律動(リズム)

色や形などが連続して変化していく様子を描いたり、③のリピテーションの繰り返しの一部を工夫して動きや変化を加えたりして表します。

③繰り返し(リピテーション)

基本的な形を画面上に配置して画面全体に変化が出るように工夫して並べます。

④階調(グラデーション)

よく使う色面の技法のひとつで、色や形をある基準で変化させていくものです。特に色を段階的に変化させていくものが使われます。

⑤対比・対立(コントラスト)

反対の形や色を組み合わせることで、いずれも引き立て合う効果をねらう表現です。

⑥比率・割合(プロポーション)

大きさや形を縦横の比や大きさを組み合わせて表現します。

⑦強調(アクセント)

単調な構成をある一部分のみ色や形を変化させて、注目させて全体に締まった感じにする効果を出ます。

⑧つり合い(バランス)

形や色を組み合わせて左右は違うけれども、つり合いが取れている状態をつくります。左右が全く同じなら①の対称になります。