「大地讃頌」について

「大地讃頌」は校内の行事などの合唱でよく歌われる曲です。この曲について説明します。

作詞は大木惇夫(あつお)、作曲は佐藤眞(しん)です。作詞した大木惇夫は悲惨な戦争を経験した人物です。平和に対する気持ちを様々な詩から知ることができます。作曲した佐藤眞は、東京藝術大学音楽学部教授でした。音楽コンクールの課題曲の作曲なども行っています。

この曲の調はロ長調です。ロ長調はシャープ(♯)が5つつきます。ロ長調の主音(ド)はロ音です。

この曲は、「土の歌」というカンタータ(大規模な声楽曲)の一部で、終曲(最後の曲)になります。土の歌は全部で7楽章からなる長い曲です。この大地讃頌は、強弱の構成をよく意識して歌うことがポイントです。それを通して曲の内容がよく伝わります。

この曲の拍子は4分の4拍子です。「大地讃頌」は強拍以外から始まる弱起の曲です。したがって曲の最初の小節は二分休符と四分休符からはじまります。

曲の形式は混声四部合唱(女声二部に男声二部)です。このうち男声のパートはへ音譜表で書かれたテノールとバスです。それに対して女声のパートは、ト音譜表で書かれたソプラノとアルトになります。このうち男声のほうが主旋律になります。

この曲は、♩=76の速さで歌います。ゆったりとGrandioso(壮大に)に歌います。

大地讃頌の「讃頌」の意味は「ほめたたえる詩」のことです。したがってこの曲の意味は、大地をほめたたえる詩ということになります。

この曲の楽譜には、横線の上に8のついた記号があり、その数の小節だけ休むことを表しています。Grandiosoは(グランディオーソ)「壮大に」という意味です。maestoso(マエストーソ)は「荘厳に」という意味で、両者は多少意味が違います。

poco a poco cresc.(ポーコ・ア・ポーコ・クレシェンド)は「少しずつ強く」という意味です。fff(フォルティッシシモ)は「できるだけ強く」という意味です。ダブルシャープは「半音上げた音をさらに半音上げる」という意味です。

この曲は中学校の音楽を締めくくるさまざまな音楽的な要素が盛り込まれた曲です。楽譜の隅々まで見渡して疑問な点がないようにすると、ある意味で中学の音楽の「仕上げ」ができることになります。

中間・期末試験 校歌

音楽の期末試験にどんな問題が出るのか、試験がはじめての中1の皆さんはなかなかわかりにくいと思います。皆さんの学校の校歌が試験範囲に入っている人は読んでみてください。

試験範囲は、1週間~10日ほど前に公表される学校が多いようです。したがって前もって試験の単元や分野はわかっています。

それでも何が出るのか、どんな問題が出るのか解いたことがなければわからないのが当然ですね。

したがって、今回は、校歌が試験範囲に入っているとしてどんな出題があるのかまとめてみます。

何よりも多いのは、校歌の歌詞です。歌詞はしっかり覚える必要があります。

これは校歌をふだんの催しごとに歌うことから、しっかり覚えて歌ってもらうねらいもあります。

したがって、歌詞を覚えていないと歌えませんから、試験に出ても覚えてしまっている人にとっては、何も難しいことではありません。ただし歌詞の意味などは先生から説明があった場合は、要注意です。出題されるかもしれません。

結構、伝統のある学校の校歌の歌詞は、昔の言葉でつづられていることがあり、歌詞の難しい場合があります。意味をしっかりつかんで理解して歌っているかを試験でたずねていることになります。

それから作詞・作曲者。これは覚えておいて損はありません。あとは譜面をもらっている場合には、校歌の楽典に関する問いあるかもしれません。

「花」について

「花」について説明します。

「花」は武島羽衣(はごろも)の作詞です。彼は東京音楽学校の(今の東京芸大)の教授もつとめました。作曲は、滝廉太郎(れんたろう)です。ほかにも「箱根八里」、「荒城の月」などの作曲で知られる作曲家です。

「花」はト長調の曲です。したがって、五線譜には調号の♯が第5線の位置に1つつきます。つまりこの位置(へ音)が半音上がることになります。主音はト音になります。

長調の曲は、よく曲の終わりがドの音で終わることが多いです。この曲もそうです。ちなみに短調の曲の場合にはラで終わることが多いです。

「花」は、4分の2拍子です。したがって1小節あたり四分音符(♩)が2拍あることになります。「強、弱、強、弱」という拍になります。

「花」は、♩=60~66の速さで演奏されます。これは四分音符で1分間あたり60~66回の拍を打つ速さです。
この曲に使われている音符について説明します。16分音符は、八分音符の半分の長さになります。32分音符は16分音符の2つ分の長さになります。

この曲を歌うときには、言葉と旋律の間のリズムをよくつかむ必要があります。そして音の強弱から、この詞の意味が効果的に伝わるような表現とします。

「花」は、二部合唱の曲です。合唱曲のひとつです。合唱曲とはコーラスのことで、二つ以上のパート(二人以上からなる)に分かれて歌います。これに対して独唱とはひとりで歌う歌です。

この曲は二部形式の曲です。したがってA,B2つの大楽節からなります。大楽節1つは2つの小楽節(aとa’あるいはbとa’)からなります。したがってこの曲の形式はA(aa’)B(ba’)と書き表すことができます。

詞のなかにある古い日本語について解説します。「うららの」とやわらかなひざしを受けているという意味。「見ずや」とは見てごらんという意味です。

それから「何にたとうべき」とは何にたとえたらよいのだろうかという意味です。「げに」とはほんとうにという意味です。また、「錦おりなす」とは美しい織物のようにという意味です。