構図のとり方

絵を描くときの構図について説明します。

基本的にはどんな絵を描いても自由なのですが、その一方で安定感やバランスのある構図というものがあります。

たとえば、空と畑や林が広がっているいる風景があったとします。このときあなたは空と地面をどんな比率で入れるとバランスが取れると思いますか。

これも地面にあるもの次第ではありますが、基本的には地平線の位置を紙の半分よりも上にもっていったら地面が主役になります。

その逆に地平線を半分よりも下にもってくると、はるか遠くまで風景を見渡せるように、俯瞰(ふかん)気味に描くことになります。

どちらがいいというわけではありませんが、俯瞰気味に描くときに注意したいことは、遠景だけ描こうとすると、何か物足らない単調な絵になりがちです。

そんなときは、近景の木を入れてみるとか、中景の家並みを入れてみるとか、縦方向にも変化があるように、そして距離感が表せるように描くと絵に面白みが出てきます。

したがって構図を決めるときは慣れないうちは、厚紙などで見取り枠(下図)を作ってその中に描きたい実際の風景を入れてみるといいです。

 

構図とは

絵を描くときは自由な気持ちでのびのびと描くのがいちばんです。でもその中にあってみる人にあるねらい通りの感じを持ってもらえるいくつかの基本があります。構図もそのひとつです。

構図は例えば画面の全体をある統一感をもった骨組みをもつようにすることです。こうした構図を取り入れることで、絵の主題にあった構図になるようにします。そして画面にバランスが生じるようにします。以下にその具体的な例を示します。

(1)水平線構図

これは絵の中でよく取り入れられている構図です。風景を描く際の基本になります。横に広がる地平線や水平線を左右に広がるように描くことで空間が左右に拡がりが続いているように感じます。

(2)対角線構図

1点透視図法などはある1点に画面が収束していきます。視点は自然にその収束する場所に集まります。したがってその空間の奥行きを感じ取ることができ、遠近感を強調することができます。

(3)三角形構図

安定感のある構図です。風景画、人物画、静物画いずれでも取り入れることで、画面から落ち着きを感じることができます。

(4)垂直線構図

上下の方向に空間が広がる様子が感じ取れます。

水彩画の練習問題

水彩画の描き方についての練習問題をつくりました。試験などの確認に使ってください。

問1.次の問いの( )に適当な語句を入れよう。

水彩画には大きく分けて2通りあります。

ひとつは( ① )水彩です。皆さんが小学校以来やってきた描き方だと思います。それに対してもうひとつは( まる2 )水彩です。こちらのことをグワッシュともいいます。

透明水彩は、絵の具を重ねると、最初にぬったほうの色が( ② )て見えます。これに対して不透明水彩では、下にぬった色は( ③ )なり、重ねて色をのせていくことができます。

アクリル絵の具やポスターカラーは適切な濃さでぬっていくと、不透明水彩として、乾かしながら( ⑤ )塗りしていくことができます。特にアクリル絵の具はいったん乾くと水に溶けなくなるので、重ね塗りが必要なときにはこちらがよいです。

答え ①透明 ②不透明 ③透け ④見えなく ⑤重ね 

問2.次の問いに答えよう。

(1)次の説明文が表す用語を答えよう。

(ア)水彩絵の具は乾かしながら普通は塗っていくと色がにじみません。絵の具の濃淡を変えて重ねることができます。さらに地の色を変えると色みが変化します。

(イ)もともと絵の具のチューブに入っている絵の具を混ぜる使い方です。混色することで、中間色にあたる色を作り出すことができます。混ぜる比率を変えることで、その中間色の色みを変えることができます。ただし、あまりに多くの色を混ぜると彩度が低下してしまいます。彩度を落としたくないときには点描で描く方法もあります。

答え(1)(ア)重色 (イ)混色

問3.水彩画のさまざまな技法について述べた文です。それぞれ何という技法ですか。

(1)様々な色の点で絵を描いていく描法です。

(2)乾いた筆に、濃い絵の具をつけて、紙の上でかすれさせて描く描法です。

(3)絵の具を紙に置きます。その絵の具が乾かないうちに、水をつけた別の筆でそのそばをなぞると、色の濃淡のグラデーションをつくることができます。

(4)紙に水か絵の具を置きます。それが乾かないうちに、べつの筆に違う色(濃さ)の絵の具でそばをなぞります。すると色が混ざり合う模様が生じます。

(5)いったん紙に絵の具を置いた後、水を含ませた筆や布などで絵の具をすくい取ります。これを洗い出しといいます。

答え(1)点描 (2)ドライブラシ (3)ぼかし (4)にじみ (5)洗い出し