レタリング

レタリングとはポスターなどの表現の際に文字をデザインすることをいいます。そこで用いる字体には、明朝体とゴシック体がよく用いられています。

明朝体

明朝体は、縦線は太く書きますが、横線は細く書きます。そして横線のと目の部分にはうろこと呼ばれる三角形の山型がつきます。このかたちはちょうど習字を書くときのとめの形に似ています。

はねにも特徴があります。跳ねる部分や払いの部分には注意が必要です。

ゴシック体

ゴシック体は、縦線も横線もほぼ同じ太さで書きます。こちらは新聞の見出しなど目立たせたい場合によく用います。明朝体と違い、横線の右側にはうろこはつきません。

ただし、いくつか注意するところがあります。たとえば「口」、「日」などの縦線の下部分は少し出して書きます。それからはらいは独特の形になります。

レタリングをするときには、まず文字の配置を決め、文字を入れる四角の枠を配置します。漢字に比べてかなは少しだけ小さくします。

それから手書きで骨組みを描き、それに肉付けしていきます。この段階で明朝体とゴシック体で違ってきます。画数が多い字は細めに肉を付けます。

それから絵の具などの画材で、枠から内側に塗っていきます。

「自然の形の構成」練習問題

自然の形の構成に関しての練習問題を作りました。理解の確認に使ってください。

問1.次の文の( )に適当な語句を入れよう。( )内に選択肢があるときは正しいほうを選ぼう。

自然にあるものをよく観察してその( ① )のもつ美しさや面白さを捉えてみましょう。

例えばキャベツを縦に大きく切断すると、葉の積み重なった様子を観察することができます。ちょうど木の幹と枝が伸びている様子を真( ② )から見たような姿ともとらえることができます。

またキャベツを上から見ると、葉が規則正しく積み重なっていることがわかります。幾何学的な(③模様 網目)として捉えることもできます。

また同じくキャベツを横で切断すると葉の積み重なりを今度は横から捉えることができます。ある規則にしたがって葉が何層にも( ④ )いる様子を多角形のようにみなすこともできます。

そういった造形を全体や( ⑤ )で捉えてみます。その興味を持った部分について、単純化したり、強調を加えたりして、造形をデザインします。これを(⑥構想 想像)といいます。

そして、下書きをさらに発展させて着色してみましょう。見たとおりの色である必要はありません。むしろ自分が(⑦強調 活発に)させたい、興味をもったところをはっきりさせたいのであれば、アクセントとなる色を決めて、自分なりの色どりで塗ってみるといいです。

表現の方法を工夫するには次のような方法があります。

(1)直線を使って( ⑧ )に描いてみる。

(2)円や多角形などを中心にまとまりをもった表現にしてみる。

(3)( ⑨ )線で描いてみる。

(4)実物をそのままスケッチしてみる。

このような工夫(あるいはそれぞれを組み合わせる)によりデザインをします。

答え ①形 ②横 ③模様 ④積み重なって ⑤部分 ⑥構想 ⑦強調 ⑧単純 ⑨輪郭

想像の世界を描く

皆さんは毎日起きていると、何か物事をいつもあれこれと考えたり、空想したりしていますよね。その世界を絵にしてみるとおもしろいです。人の考えはみな違います。それぞれの頭の中の世界を人に紹介できたら面白いです。このいう絵を空想画といいます。

本や映画の世界ではファンタジーと呼ばれるジャンルがありますね。たとえば皆さんをとりこにしたハリーポッターなどはごく最近作られたばかりの本です。

こういった物語は読んでいると頭の中でいくらでも空想が拡がります。おそらく同じものを読んでもみなそれぞれ捉え方が違っているでしょう。したがってハリーポッターのお話が映画になったとき、あれっ、ちょっと違うとか、想像していたとおりとかいろいろな感想をもてたのではないでしょうか。

絵も同じです。あるテーマが与えられたとします。例えば音楽でもいいでしょう。ある曲についてクラスの皆がそれぞれ音楽を聴いて感じたこと、想像したことを絵にしてみます。

このように想像の世界を絵にしてみると、人それぞれ個性的でなかなかユニークなものです。私もふだん描く絵とは違うタッチで描きます。

現実の世界の枠を超えて心の奥を覗いてみた感じがするでしょう。画家の一例をあげるとパウル・クレーがいます。彼の絵は色や形の中に音楽を感じ取ることができます。

また、ある場合には夢や空想を元にして描くのもいいでしょう。サルヴァドール・ダリはそういった絵の先駆者です。彼の描いたバターのように溶けた時計は何を意味しているのでしょう。

さらに具体的なものを組み合わせたり、ありえない場所や大きさの比率で描いたりすることも想像を掻き立てられます。だまし絵やその意外性を使うことで不思議な印象を与えることができます。マルク・シャガールの絵は美しい色を使っています。彼の想像の世界を好む人は多いです。

以前紹介した、様々な美術の技法のなかには偶然性を利用した描き方がありましたね。デカルコマニーやコラージュ、吹き流しなどモダンテクニックを使うことで予想しない世界を描き出すこともできます。