緑黄色野菜で摂れるビタミン

生き物が生きるのに酵素は大事なはたらきをもちます。酵素のなかには補酵素が必要なものがあります。この補酵素と酵素が結合してようやく酵素は機能をもつことができます。補酵素自体は酵素と比べると小さな分子のことが多いです。補酵素のなかでもビタミンがその代表的なものです。

ほとんどのビタミンをヒトは体内で作り出すことができませんし、一部のビタミン(ビタミンAなど)を除きためておくこともできません。余分なビタミンは体の外に排出されてしまいます。そのためにビタミンを絶えず食べ物から摂る必要があります。

いくつかの代表的なビタミンを紹介しましょう。

たとえば緑黄色野菜のβ-カロテンはニンジンや西洋かぼちゃなどに含まれています。体内でビタミンAに変化してはたらきます。ビタミンAはとりすぎると体内に蓄積して害になることがあります。

それからビタミンEやKもこういった野菜には含まれています。色の濃い葉物野菜にはこういったビタミンが特に豊富に含まれています。これらのビタミンは発育を促進したり、視力や血液の機能を保ったりしてはたらきます。ビタミンA,E,Kともに油に溶けやすいので、油と調理して利用すると吸収がよいです。

その一方で水溶性のビタミンもあります。ビタミンCは緑黄色野菜や果実、イモ類に含まれています。コラーゲンを生成したり、ストレスへの抵抗性を増進したりします。皮膚を健康に保つのに必要です。それからビタミンB1は豚肉、豆類、胚芽や緑黄色野菜に多く、B2はレバーや卵や魚などに多く含まれます。B1は糖質のからエネルギーを得るために必要です。B2はアミノ酸や脂質からエネルギーを得るために必要です。

緑黄色野菜を意識して食べるようにすると、これらのビタミンが摂りやすいことがわかっていただけたでしょうか。そのヒントになりますが、彩り豊かな献立にすると、多種類の野菜とともにビタミンが摂りやすいようです。

新鮮な魚とは

買い物をしたり、調理をしたりする際に食品の鮮度を知ることは大事です。

魚の場合について鮮度を見る方法を説明します。魚の場合のポイントです。基本的に一尾のままの状態で示した例です。

①身にしっかりとはりがあると鮮度がいいです。押してみて弾力があり、骨に身がしっかりついている状態のもの。汁(ドリップ)が出ていないもの。よくトレイにラップがかけてある容器で売られていますが、そのなかに汁が出ていない状態がいいです。

②目がきれいに澄んで透明なものは新しいです。盛り上がっていて、赤く濁っていない。
③うろこに光沢があるもの。
④いやなにおいやくさみがない。
⑤えらの部分が美しい赤色をしている。

などです。購入する場合にも、店から移動に時間がある程度かかりそうなときには、氷を入れたり、保冷バックに入れたり、冷たい牛乳などのそばに入れたりするとよいです。

すでに購入してからある程度時間が過ぎたものは、刺身用と表示があっても煮たり焼いたりするほうが望ましい場合もあります。切り身で売られているもののなかには鮮度が見分けにくいものもあります。生食用と表示がない場合には基本的に火を通します。

基本的に旬の魚を選ぶと品質や鮮度がよく、脂がのっていたりしておいしく、しかも値段も手ごろな場合が多いです。

受け継がれている食文化

私たちが住んでいる日本には、その地域ごとに長い年月で培われてきた食文化があります。行事のあるときに作られる特別な料理や利用される食材があります。主なものをあげてみます。

お正月にはおせち料理があります。さまざまな料理を年の暮れから準備をし、正月をこの料理を食べながら新しい年の無病息災を祈ります。

2月の節分では豆まきをします。家の中に災いをもたらすものを家から追い出すために豆をまく行事です。

3月のひな祭りでは、様々な料理がふるまわれます。ちらしずし、ひなあられなどです。

5月の子どもの日には、子どもの健やかな成長を祈るため、ちまきがつくられます。かしわもちを作る地域もあります。

3月の春分の日や9月の秋分の日には、ぼたもちやおはぎを作ります。先祖の供養をするお彼岸の行事です。

10月の月見には、月見団子をお供えします。

11月の七五三には千歳あめが配られます。

12月の年越しには年越しそばを食べながら新しい年を迎えます。

このように行事で作られる特別な料理を、行事食といいます。古くからの伝統として地域や親から子へと受け継がれています。